読んでみた。推理小説(ミステリィ)として見たときに結構、
ツッコミどころもあるのだが、なかなか楽しませてくれる力作で
ある。
小説を含め、あらゆる芸術ジャンルでエポックメーキングな
作品というものが存在する。最近の映画では、映像表現という
点において、マトリックスシリーズがそうだと思うのだが、この
小説は僕にとって、かなりストライクに「マトリックス以後」と
いう印象が強かった。
その理由はいろいろある。たとえば、最初、知らぬ間に危機に
陥っている主人公が渡された携帯電話で危機を知り、逃れようと
する展開も似ていると言えば似ているし、延々と議論が続く
場面とアクションシーンを交互に繰り返すのも似ているといえば
いえるだろう。
だが、僕が一番その思いを強くするのは、主人公が己の身に
迫ってくる"リアル"な危機を抜け出すために繰り広げる、まさに
一難去ってまた一難の現実世界の冒険と、歴史や美術作品の
解釈をめぐって展開される知的冒険との二重世界を巧みにからめ
ながら描いている点、それと、圧倒的なまでに"喩"を積み重ねる
表現手法、そこからくる一種独特のグルーヴ感といったものだ。
世界を複眼的に視、喩(あるいはまた、この作品にあわせて
"象徴"と言い換えてもいいだろうが)の積層として世界を語る
試み、それも映像に頼らず、言語表現でここまでやった力業には
ただただ驚嘆するばかりだ。本作にはもちろん、小説としての
結末は用意されているが、ここに導いてくることが主眼なのでは
ないだろう。書き手が読み手を、真に導き入れたいのは歴史、
なかんずくヨーロッパの精神史を彩り形作ってきた喩の迷宮で
あり、その迷宮を旅する知的冒険の世界であるはずだ。そして
その旅の向こう側で、人は「心を解き放つ」ことができるのかも
しれない。
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実はこの度ブログ消すことになりましたので
リンク外していただきたく
ご挨拶にやってまいりました。
今までコメントやTBありがとうございました。
また余裕が出来たら始めるかも知れませんし
コチラにはこれからもオジャマさせていただくかも知れませんので
今後ともよろしくお願いします。
わざわざご連絡いただき、本当にありがとうございます。こちらこそ、今までお世話になりました。
先ほど、リンクをはずしました。なんだか寂しいです。もし復活されたら、ぜひお知らせください。また一緒にわいわいやりましょう。
今後とも、よろしくお願いします。