2004年11月14日

本来の意味でのファンタジー −シュレック評−

 昨日テレビで見た「シュレック」がめちゃくちゃ
面白かった。今年、2が公開されたときに観たいと
思いながらんだけど観そびれてしまっていたので、
今回テレビで1の方をやってくれたのは僕的には
ありがたかった。1には長靴をはいた猫が出てこない
のが微妙に残念だったけど(実は猫好き)。
<ここから先はネタばれ注意!> 映画が始まってまず感じたのは3DCGがこなれ
てるなぁ、ということ。今夏、映画館で観たイノ
センスの冒頭、バトーが人を殺した人形を追い詰める
シーンなどは3Dダンジョンもののロールプレイング
ゲームの画面を見ているようでちょっと気恥ずかし
かったりしたのだが、これは違和感がない。それで
いて、実写でもアニメでもない、独特の質感がある。
いい映像だと感じた。
 キャラクターは皆、絶妙にひねくれている。シュレ
ックは言うに及ばず、フィオナ姫がおもしろい。塔の
上で白馬の騎士に救い出されるのをじっと待っていた
くせに無茶苦茶強くて、マトリックスばりのアクションも
見せてくれる。ってか、このシーンはマトリックスの
パロディだけど。このフィオナ姫がある種、主人公の
シュレック以上にキーパーソンなのだと思う。
 彼女が(なぜか)ものすごく強いのに、塔にこもって
助け出されるのを待っているのには理由がある。夕方に
なると化け物になってしまうという呪いをかけられて
いて、「運命の人」のキスによってその呪いが解けるのだ。
で、いろいろ紆余曲折があって、最後にシュレックと
結ばれキスをかわしたのだが、なぜか美しい姿に戻れない。
ここがオチでもあり、この映画の本質的な部分でもあるの
だろう。ステレオタイプなお姫様であろうとしながら
そうなりきれないのが、生きているナマの人間という
ものだろう。では彼女は最後に醜い怪物になって終わった
のかというとそうではない。人間というのは多面的な
存在であって、単純に美しいとか醜いとか割り切れるもの
ではないからだ。この映画は、現実が汚くてみじめで
みっともなくて、でも愛すべきものだというところを
キチンと描いている。その根底にあるのは、ディズニーを
クビになった男たちの反骨心だったりするのだが、
そのあたりも本来、ファンタジー(と呼ばれる)寓話や
童話が持っていた毒気に満ちている。そういう意味で、
シュレックは正統派ファンタジーの大傑作だと思うのである。
posted by よろず主人 at 00:51| Comment(0) | TrackBack(1) | 映画・DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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★★★★「シュレック」マイク・マイヤーズ、キャメロン・ディアス
Excerpt: シュレック、フィオナ、ファークアード卿と、みんなコンプレックスを抱えているのがいい。幸せって、世間の基準に合わせることじゃない!自分の気持ちに、正直に生きることだよね!孤独なシュレックに仲間ができて、..
Weblog: こぶたのベイブウ映画日記
Tracked: 2005-01-23 14:24
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